サイゴン‐ミトー間鉄道再建設の意義

2006/06/03 07:12 JST配信

 1881年、フランスによってベトナム最初の鉄道がサイゴン(現 ホーチミン市)と近郊のミトー(ティエンザン省)間に建設された。125年後の今、この区間の再建設プロジェクトが交通運輸省の認可を受け、南部交通建設コンサルタント会社(Tedi South)によって着工されようとしているが、各方面から建設を疑問視する声が上がっている。

 サイゴン‐ミトー間ではメコン川を利用した水上輸送が発達している上に、現在、高速道路の建設も進んでいる。メコンデルタで収穫される米はもっぱら船で輸送され、果物や水産物は専用のコンテナ車で輸送されている現状を考えると、鉄道で運ばなければならない物は無く、鉄道建設は無駄だとする意見がその代表的なものである。

 これに対してTedi South社側はサイゴン‐ミトー間の鉄道は将来的にはサイゴン‐ミトー‐カントー‐カーマウ岬をつなぐことになる長距離路線の一部とする計画で、商品の輸送を行うだけではなく、ホーチミン市と周辺の都市を結ぶ重要な交通手段となり得ると反論している。

 また、世界的に鉄道のレール幅を1.435mで統一しようとする動きがある中でサイゴン‐ミトー間に建設予定のレール幅が既存のベトナム統一鉄道に合わせて1 mに設定されていることを問題視する声もある。確かにレール幅が異なると現在統一鉄道で使用されている車両が使えないという問題点はあるが、長い目で見ると、あらかじめ土台や基礎工事をレール幅を1.435m対応で建設しておいたほうが経費の節約になるという指摘もある。

[2006年5月26日、Nguoi lao dong紙 電子版]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
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