1973年サイゴン生まれ、身長173センチ、スリーサイズ86-61-86のナヴィア・グェンは、ベトナム人で初めて世界のトップモデルの仲間入りを果たした。
両親の仕事の都合で幼いころからアメリカに暮らし、ベトナム人の少ないニューヨークで、黄色い肌と黒髪の少女はいつも疎外感を感じていた。学校以外では友達も少なかった。
高校卒業後イギリスに渡り、セント・マーティン芸術大学に入学。芸術に一生を捧げるつもりだった。ある時キャンデムタウンで買い物をしていた彼女は、偶然カメラマンにモデルにならないかと声をかけられてこの仕事を始めることになる。
ナヴィアが急速にファッション界の注目を集めるたのは、困難に耐え、どんな状況においても成功するために闘い続けるベトナム女性の気質があったからだろう。
同時に、GAP、Diesel、Tommy Hilfigerなどアメリカのスポーツファッション広告で、黒髪の彼女は人々の目に印象的に映った。さらに常にナチュラルメイクで、美容整形をしたり髪の色を変えたりしないことも彼女の人気に拍車をかけている。
1996年、ナヴィアの写真はイタリア・ピレリのカレンダーを飾り、ピープル誌では「世界で最も美しい50人」の一人と評された。翌年にはアジア人モデルで初めてアメリカのSports Illustrated Swimming Editionのカレンダーモデルにも抜擢されている。
さらに彼女はテレビや映画においても自分の力を試し続け、Sex and the city (1998年)、As if (2001年)、The quiet American (静かなるアメリカ人) (2002年)、Hitch (2005年)、Memoirs of a Geisha (ある芸者の記憶)などの作品に出演。現在はマンハッタンで自らが経営するベジタリアンレストランの仕事に専念するために、しばらくモデルの仕事を中断している。
自らの成功について彼女はこう語る。「私はベトナム人であることをいつも誇りに思っています。故郷に対してまだなにも返せてはいないけれど、少なくとも世界に対して、ベトナム女性が誰にも負けないぐらい魅力的であることを知らせることができたと思うわ。」