工員の食中毒相次ぐ、原因は格安仕出し弁当

2005/12/15 07:13 JST配信

 ホーチミン市の輸出加工区や工業団地で、工員の食中毒が相次いでいる。原因は粗悪な仕出し弁当であることがほとんどだ。年始から9月までの食中毒患者は、昨年の1月か9月までの患者数の1.7倍の1,400人に達しているが、そのうち95%は工員の食中毒患者で、企業内で罹患している。先月11月10日には、市内ゴーバップ区の縫製会社キンケンで230名の食中毒者を出している。

 市内と近隣省の企業に仕出し弁当サービスを展開して10年のQ氏の証言によると、ここ数年の物価上昇にもかかわらず、多くの企業は工員用仕出し弁当の値上げに応じず、現在企業に対する平均納入価格は1食4,000ドン(約 0.25米ドル)に満たないという。中には、1食2,850ドン(約 0.17米ドル / O企業)、3,500ドン(約 0.22米ドル/ S.C.革靴会社)で提供を求める企業もあるが、弁当会社側は市場競争に打ち勝つため、食材の品質を落としてでも破格値での納入を請け負うのが普通だ。特に、ホーチミン市で弁当業を行っている企業の6割から7割は、零細企業か自営業で、その多くは系列の食材業者で売れ残ってしまった、腐りかけた魚や肉・屑野菜を使用している。このような事情から、工員用弁当はおかずの数こそ多いものの、品質は劣悪で、食中毒多発の原因となっている。

 ベトナム食品安全協会ホーチミン支部のチャン・ヴァン・キィ医師は、現在の物価に照らし合わせば、衛生的で栄養価の高い弁当は、少なくとも1食6,000ドン(約 0.37米ドル)はするはずであると、企業側に福利厚生改善を呼びかけている。

[2005年12月13日:Nguoi Lao Dong]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
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