捨てられた果物の行方 (2)

2004/07/13 12:24 JST配信

捨てられた果物の行方 (1) より続く

 話し終えても、まだその女性は虫がうごめいて悪臭を放っている果物の中からまだ皮がつやつやして新鮮そうなみかんを次々に選んでいた。向こうで同じ作業をしている女性がこう言った。“このみかんはまだ綺麗だし中のほうがちょっとやわらかいいけど食べれるから売りやすいよ。

 この前なんかこのゴミ捨て場には梨しかなくて傷んでるところを切り落とすのに時間をとられたあげく、結局冷やし果物屋(注※一口サイズに切った果物を氷で冷やして売っているお店、主に移動屋台で売っていることが多い)に安く売るか1個500ドンで子供に売るかしかなく、全く割に合わなかったよ”と話す。

 そうこういろんな話をしているうちにこの2人の女性の名はLieuさんとCaiさん、それぞれBinh Dinh省、Thanh Hoa省出身でここから500mほどのところで行商をしている同じ長屋の住人だということがわかった。2人が言うには毎日ここからみかんやマンゴーをTam Binh市場(Thu Duc区)に運んで売っているという。

 “ゴミ売り”になったきっかけはある日この近くを通りかかった時に大量の果物が捨てられる現場を目撃したことからであった。またなんでこんなたくさん捨てられてるのかと思い、試しに中に入って拾って食べてみたらこれが食べられ、今度は行商の品物が早く売れた時にここに寄って果物を拾いこれまた試しに売ってみたら、これが売れてしまったのである。

 私が話をしている15分のうちにも十数人がこのゴミ捨て場に立ち寄り、無料の“ゴミ商品”を運び出していった。その中には行商用三輪車の女性たちだけではなく運搬用三輪車も立ち寄り、その50代の運転手は“拾って持って帰り子供たちに食べさせるんだよ”と苦い言い訳をして荷台の3分の1の量の果物を運んで立ち去っていった。<続く>

[Tuoi Tre]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
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