- 4月28日に米フロリダ州で死去、80歳
- 少なくとも22人を殺害した罪で有罪判決
- 09年に事件について公の場で初めて謝罪
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ベトナム戦争中の1968年3月16日に米部隊が引き起こした「ソンミ村虐殺事件」への関与で有罪判決を受けた唯一の元米軍将校ウィリアム・カリー(William Calley)氏が、4月28日に米フロリダ州ゲインズビルのホスピスセンターで亡くなっていたことが分かった。80歳だった。
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カリー氏死去の情報は、ハーバード大学法科大学院修了生のザカリー・ウッドワード(Zachary Woodward)氏が公開記録を調べている際に発見し、明らかにした。米ワシントンポスト紙は、フロリダ州保健当局からカリー氏の死亡証明書のコピーを入手したが、遺族とは連絡が取れなかったという。
ソンミ村虐殺事件は、南中部沿岸地方クアンガイ省ソンティン郡ソンミ村ミーライ地区で、ベトコン掃討作戦を実施していた米部隊が不正確な情報に基づいて3~4時間のうちに村人504人を虐殺した事件。犠牲者の大半は女性や高齢者、子供だった。
事件は1年半余り隠ぺいされていたが、当時現場にはいなかったヘリコプター砲手ロナルド・ライデンアワー(Ronald Ridenhour)氏が、数週間後に事件を知って独自に調査。事件から約1年後に米国に戻り、政治家や米軍幹部に手紙を書き、正式な調査を促すために情報を提供した。
カリー氏は軍法会議で、少なくとも22人を殺害した罪で有罪判決を受け、重労働終身刑を言い渡されたが、その後3年間の自宅軟禁の刑に減刑された。カリー氏は2009年に、ソンミ村虐殺事件について公の場で初めて謝罪した。