- 動画がSNS上で拡散、感動のコメント多数
- 士官が少女に笛をプレゼントした理由
- 軍事パレードに奉仕した思い出の号笛
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5月7日、西北部地方ディエンビエン省ディエンビエンフー市で、ディエンビエンフー戦勝記念日70周年記念式典が開かれた。
(C) tuoitre |
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盛大な軍事パレードなどが行われ、国民や兵士たちの歓喜、誇り、そして感動のなか幕を閉じた式典だったが、パレードを終えた機動警察の士官が、炎天下のなか沿道に立つ少女に笛をプレゼントした光景が、多くの人の胸を撃ち抜いた。
長期間にわたる練習の末、素晴らしい軍事パレードを披露した兵士たち。出番を終えた兵士たちは、数千人にも及ぶ沿道の市民に見送られつつ、引き揚げた。
市民と兵士たちの熱い抱擁、固い握手など、心温まる光景があちらこちらで見られたのだが、ある機動警察官が、不意にポケットから号令用の笛を取り出すと、歩道に立っていた少女の首にかけた。少女の肩をポンとたたいて「いいね」のグッドサインを贈り、さっと隊列に戻る士官。そんな瞬間を収めた動画がSNS上で瞬く間に広まり、ネット上は感動のコメントで溢れた。
この士官は、公安省機動警察司令部機動警察訓練・業務指導部の副部長であるファム・ダイ・ドン上佐だ。式典では、公安省のパレード常務指揮局の副局長を務めた。
ドン氏は、部隊とともに4月25日からディエンビエン省入りした。「炎天下の練習では、ディエンビエンの人たちが励みになりました。食べ物、飲み物を差し入れてくれ、兵士たちを鼓舞する拍手を送ってくれました。人々の温かさに本当に感動しました」と言う。
式典を終えても道路の両側では何千人もが隊列に手を振り、兵士たちの感動は高まった。そんななかで、道端に立つ1人の少女が、ドン氏の目に留まった。
「人波に、何だか物おじする少女が見えました。よく見ると、知的障害がある少女ということに気づきました。少女の兵士たちへの気持ちに、何だかお返しをしたくなったのです」とドン氏は語る。
左胸のポケットを触ると、そこには4か月間にわたって練習に使った号笛があった。迷わず取り出すと、少女の首にかけた。
ディエンビエンフー戦勝70周年を記念する軍事パレードに奉仕した号笛。笛をもらった少女は、喜んで家に駆け込んだ。「少女が喜んでくれたので、私も嬉しくなりました」とドン氏は笑った。