「塩コーヒー」を成功させた男性が、このほど無料の食堂を開いた。
(C) markettimes |
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午前10時、ホーチミン市ビンタン区アンラックA街区4番通り12番地の無料食堂では、従業員が最初の客を出迎えていた。
広々として清潔な食堂に立ち寄る客は、バイクタクシードライバーや宝くじ売り、警備員など、経済的に困難な環境にある人々が中心だ。そしてこの無料食堂の主こそ、「塩コーヒー」ブームの火付け役であるズオン・タイン・ロンさん(56歳)だ。
ロンさんは、2023年2月末にタンビン区コンホア通りの塩コーヒー屋台が賑わうと、「ローラー作戦」で次々と店を出していくことを考えた。客がどこででも買えるようにするためだ。こうして塩コーヒーチェーンは今、ホーチミン市をはじめ、東南部地方ドンナイ省、同バリア・ブンタウ省、同ビンズオン省などに20店舗余りを展開している。
1号店の開店当初から人々に愛され、応援された。その恩に応えようと、ロンさんは困難な生活を送る人のために、無料食堂を開くことを決めた。
商売の儲けで開いた無料食堂には、塩コーヒー屋台の従業員たちも熱心に協力してくれた。食堂では精進料理を提供し、毎日11時から13時まで営業し、1日200食程度を目安に、客の入りを見て調整している。
南部メコンデルタ地方ビンロン省出身で、ホーチミン市でこの11年間バイクタクシーの運転手をしているチャンさん(男性・66歳)は、家賃120万VND(約7400円)の借家に住んでおり、この無料食堂で昼食代の2万VND(約120円)を節約できると喜ぶ。
「最近はお客さんも少なくて、1日の稼ぎは10万VND(約610円)くらいしかない。ここは美味しいし、みんな歓迎してくれる。腹があったかくなるだけじゃなくて、社会にはこんなに良い人達がいるんだと、胸もあったかくなるよ」と話した。