ベトナム最大規模の質屋チェーン「F88」の本社(ホーチミン市ゴーバップ区)および支店での違法活動が3月上旬に一斉摘発されてから現在までに、ホーチミン市では同社の従業員10人が資産強奪容疑で起訴された。
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警察によると、起訴された10人は債権回収担当の従業員ら。渦中のF88は「当社では債権回収に関して、法律に沿った厳格な規則・手順・制裁が規定されている。法律と会社の規則に違反した者はその責任を負わなければならず、当社は不正行為を行った者を一切擁護しない」との声明を発表した。
プレスリリースによると、F88は容疑者らの違反行為を明らかにするため、捜査当局に協力すると共に、法律遵守を確実とすべく、各営業所の活動を見直していくとのこと。
なお、ホーチミン市だけでなく、◇南部メコンデルタ地方ティエンザン省、◇同アンザン省、◇同ソクチャン省、◇同カントー市、◇同ハウザン省など、複数省・市の警察がF88の営業所の立ち入り検査を一斉に実施して捜査範囲を拡大させている。
全国警察はこの数か月、ファイナンス会社や弁護士事務所などを装ったヤミ金融に対する取り締まりを強化しており、これまでに複数の会社を相次いで摘発した。特に注目を集めた会社としては、F88のほか、韓国系ファイナンス会社の未来アセット金融ベトナム(Mirae Asset Finance Vietnam=MAFV)や、弁護士事務所「パワー・ロー(Power Law)」などが挙げられる。
公安省は30日、ティエンザン省警察署で、ファイナンス会社などを装ったヤミ金融・資産強奪に対する取り締まりに関する会議を開催し、同省傘下機関のほか、複数省・市の警察が参加した。
公安省傘下刑事警察局がこの席で報告したところによると、2023年1~3月期には全国でこのような資産強奪事件が計89件発生。公安省および各省・市警察がこのうち79件(内訳ホーチミン市:16件、◇ハノイ市:7件、◇北中部地方タインホア省:7件、◇東南部地方ビンズオン省:6件など)を刑事事件として立件し、223人の容疑者を逮捕した。