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　南部メコンデルタ地方ベンチェ省在住のグエン・タイン・チエウさん(男性・34歳)は、タイヤ修理で10年以上の経験を持つ整備士だが、廃タイヤを使った造形作家としても知られている。チエウさんは最近、廃タイヤ200本を使ってキングコング像を制作し、SNS上で公開して話題を集めた。

（C）Vietnamnet

　このキングコング像は、鉄の骨組みに細かく切った廃タイヤを貼り付けて完成させたもので、すぐに買い手がついた。チエウさんが廃タイヤ造形作家になったのは、2018年に親戚の家を訪ねたのが契機となった。その日、親戚宅に行ったチエウさんだが、家具が壊れていて座る場所がなかった。帰宅したチエウさんは、鉄材と廃タイヤでテーブルセットを作ることを思いついた。

　完成したテーブルセットの出来栄えは見事なもので、注文が殺到。そこから徐々に創作意欲に火がついて、創作活動に励むようになっていった。チエウさん宅周辺には、多くのタイヤ整備所があり、廃タイヤで溢れて環境が汚染されていた。チエウさんはインターネットでタイヤアートを学び、腕を磨いた。

　キングコング像の制作に着手したのは2022年11月末ごろ。1本5000VND(約28円)の廃タイヤを計200本購入して材料に使った。完成したキングコング像は、高さ2.2m、幅1.5m、長さ2.5m、重さ300kgという大作。チエウさんによると、最も大変だった作業はタイヤをカットすること。表面が異なる様々なタイヤを使って、キングコングの筋肉などを表現し、仕上げに光沢がある黒いペンキで表面を塗装した。

　写真を撮ってSNSで公開すると、すぐに喫茶店のオーナーから購入希望の連絡が入って6500万VND(約36万円)で売却された。