ホーチミン市7区タントゥアン輸出加工区に工場を持つ日系企業トウヨウ・プレシジョン(Toyo Precision Co., Ltd)で12日と13日の両日、テト(旧正月)賞与が低すぎるとして労働者約600人がストライキを行った。
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同社が発表したテト賞与計画によると、賞与額は、◇勤続12か月以上の者:基本給と手当の合計額の1.1倍に相当する金額、◇勤続12か月未満の者:10万VND(約540円)となっていた。同社はこれに併せ、2023年の給与引き上げ率を+2.25%とすると発表した。
同社は日本全額出資の会社で、ミシン部品の製造を中心に事業を手掛けており、これまでにベトナムで28年間活動している。
9か月前に入社した男性労働者(23歳、南部メコンデルタ地方アンザン省出身)は、「テト賞与が10万VNDしかもらえないことを聞いたとき、大きなショックを受けた。帰省のバスチケットさえ買えない」と嘆いた。
勤続11年の男性労働者は、「2022年7月に最低賃金は約+6.0%引き上げられたが、自分の場合は賃上げ率が1%。額にすると5万VND(約270円)だけだ」と嘆息した。
また別の女性労働者は、「物価は上昇する一方で、賃上げ率は低すぎる。家賃は10%も上がって月110万VND(約6000円)になった」と語った。
トウヨウ・プレシジョンは、テト賞与と賃上げについて「円安の影響により財務状況が悪化した」と説明。同社の労働組合は管轄機関と協力して経営陣との交渉を行っている。
なお、労働傷病兵社会局が2022年12月末に発表したところによると、2023年における同市のテト賞与は前年比+45%増加し、労働者1人当たりのテト賞与の平均額は1300万VND(約7万0700円)となっている。