在ベトナム・ドイツ大使館と在ホーチミン・ドイツ総領事館は、7月1日から発給が始まったベトナムの新デザインの一般旅券(パスポート)について、所持者に対し査証(ビザ)の発給を一時停止すると発表した。
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理由について、この新デザインのパスポートに所持者の「出生地」が記載されておらず、ドイツ国内の管轄機関による本人確認が難航しているため、現在のところこのパスポートがドイツ国内では認められていないと説明している。
新デザインのパスポート所持者に既に発給したビザについて、ドイツの外交機関は、ドイツ国境で入国を拒否されるリスクが高いとして、問題のパスポートとビザを利用してドイツに入国しないよう勧告した。
このトラブルをめぐり、公安省傘下の出入国管理局(A08)の責任者は、「新デザインのパスポートはベトナムの法律と国際民間航空機関(ICAO)の基準に従ったものであり、(出生地の記載がないことについては)過失ではない」とコメントし、「ドイツの今回の一方的な対応について、外交を通じて解決し、国民の権利を保護する」との方針を明らかにした。
実際のところ、世界の多くの国々のパスポートにも、所持者の出生地が記載されていない。
なお、新たに発給されたパスポートは、旅券のデザインを規定する公安省の通達第73号/2021/TT-BCAに従った新仕様となり、表紙の色が従来の緑色から紺色に変更されたほか、各ページにベトナムの風景や史跡が印刷されている。ただし、ICチップは埋め込まれていない。ICチップ付きの新仕様のパスポートは年内に発給が開始される予定。