ベトナム科学技術研究所傘下のベトナム国家宇宙センター(Vietnam National Space Center=VNSC)のレ・スアン・フイ副所長は11日、同センターが開発したキューブサット「ナノドラゴン(NanoDragon)」を鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所に向けて送り出したと発表した。
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ナノドラゴンは日本の国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA、東京都調布市)に引き渡され、JAXAの「革新的衛星技術実証2号機プログラム」により2022年3月までに打ち上げられる。このプログラムは、100kg級の小型実証衛星2号機(RAISE-2)と50kg級の超小型衛星4基、数kg程度のキューブサット4基の計9基で構成されている。
ナノドラゴンは重さ約4kg、3Uサイズ(約13.3cm、1U=1.75inch=44.45mm)のキューブサット(10cm×10cm×34.05cm)で、開発から設計、統合、機能テストまで国内で実施した。今年3月に九州工業大学の超小型衛星試験センターで振動、衝撃、熱真空などの耐久度を試す宇宙環境試験を受け、必要な基準を達成したことを確認した後、いったんベトナムに戻されていた。
ナノドラゴンは、船舶自動識別装置(AIS=Automatic Identification System)の信号を受信できることの証明を目的としている。また、衛星用に開発された新コンピューターと衛星の姿勢制御システムの品質を実証することも目的の一つだ。衛星は高度約560kmの太陽同期軌道に投入される予定だ。