ベトナムにおける女性の社会進出は顕著だが、女性管理職の比率は依然として低い水準に留まっていることが国際労働機関(ILO)が先般発表したビジネス環境での女性進出に関する調査レポートで明らかとなった。
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レポートによると、労働年齢のベトナム人女性の7割強が労働市場に参加している。これは世界平均の47%、アジア太平洋平均の44%を大きく上回るが、ベトナムの女性管理職の比率を見ると、全体の4分の1にも満たない水準となっている。
労働市場で脆弱な仕事に従事する労働者のうち、女性労働者が圧倒的な割合を占めている。また、就労時間が同じで、学歴の差もさほど大きくないにもかかわらず、女性労働者の収入は男性労働者と比べて低い水準にある。2019年における女性労働者の月収は男性労働者のそれを14%下回った。
女性労働者の月収が低い水準となっている理由としては、家事の負担が挙げられ、このことが女性が昇進する上でのネックにもなっている。共働きの家庭でも女性は男性の2倍もの家事をしなければならなず、女性は週に20.2時間を家事に費やしている。一方、男性が家事に使う時間は週10.7時間程度で、男性の5分の1は一切家事に参加していないのが現状だ。