ベトナム人民軍と海軍のトップらが国家規定に違反し、海軍が管理していたホーチミン市の国防用地の管理権を民間企業に譲渡した事件の控訴審で、中央軍事裁判所は11日、2004~2015年任期の海軍司令官と2009~2016年任期の国防次官を務めていたグエン・バン・ヒエン被告(男・66歳)に禁固3年6か月の有罪判決を言い渡した。
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5月に開かれた一審裁判では禁固4年の判決だったが、ヒエン被告は控訴し、執行猶予付きの禁固刑を求めた。中央軍事裁判所は新たな「酌量すべき事情」があるとし、一審判決より軽い刑を下したが、執行猶予付きの禁固刑は却下した。
ヒエン被告は2019年9月、グエン・スアン・フック首相の決定により元国防次官と元海軍司令官の資格を抹消され、2020年5月中旬に共産党中央執行委員会の決定により党除名処分を科されている。
詐欺・資産横領罪に問われていたドゥックビングループ(Tap doan Duc Binh)元社長のファム・バン・ジエット被告(男)は減刑され、禁固14年(一審判決:禁固15年)を言い渡された。
土地管理規定に違反した罪で禁固4~9年の判決を言い渡され、控訴したヒエン被告の海軍の部下4人のうち、1人については減刑が認められた。
国防省傘下タイソン総公社(Tong cong ty Thai Son)元副社長のディン・ゴック・ヘ被告(男)は減刑が認められず、詐欺・資産横領罪で禁固20年、経済管理に関する国家規定に意図的に違反し甚大な損害をもたらした罪と機関・組織の偽造印鑑・資料を使用した罪で禁固12年の判決を受けた。ただし、ベトナムでの禁固刑は最大30年と規定されているため、合わせて30年の禁固刑となる。
一審裁判で禁固7年の判決を言い渡されたヘ被告の姪でイエンカイン製造貿易サービス(San xuat Thuong mai Dich vu Yen Khanh)元社長のブー・ティ・ホアン被告(女)は控訴しなかった。
問題の土地は、海軍が管理していた国防用地3区画で、いずれもホーチミン市1区トンドゥックタン(Ton Duc Thang)通りの一等地に立地する。ヒエン被告らは土地を提供する形でヘ被告らの不動産開発事業に出資し、国の管理権を失い、国に9390億VND(約43億円)の損失をもたらした。裁判所は海軍による事業への出資に関する契約を無効とし、同3区画の回収を命じている。