新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を軽減する策としてベトナム社会政策銀行(VBSP)が雇用主に対し実施する16兆VND(約730億円)の給与支払い目的の無利子融資事業について、労働傷病兵社会省は政府に条件緩和の具体案を提出した。
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この背景には、企業にとって融資を受けるための条件が厳しいことがある。事業が5月にスタートして以来、条件が揃った企業は全国で1社のみに留まり、この企業も融資の申請後に自主的に資金を確保し、融資を受けなかったため、現在までに1社もこの措置を利用していない。
政府の4月9日付け決議第42号/NQ-CPで規定されている条件として、◇社会保険に加入している労働者の20%、または30人以上が1か月以上継続して休暇を取らざるを得なくなっていること、◇4月1日から6月30日までの休暇期間中の給与の50%以上を既に支払っていること、◇財務的困難に陥り、さらに休暇期間中の給与支払いに充てる資金を確保できないこと、◇2019年末時点で不良債権を抱えていないこと、などが挙げられる。
労働傷病兵社会省は政府宛ての文書の中で、「休暇期間中の給与の50%以上を既に支払っていること」という条件を廃止し、また「休暇期間中の給与支払いに充てる資金を確保できないこと」という条件を「2020年第1四半期(1~3月)の売上高が前期比▲20%以上減少した、または措置申請直前の四半期の売上高が前年同期比▲20%以上減少したこと」に改訂するほか、対象となる労働者の休暇期間も「4月1日から6月30日まで」から「4月から12月まで」に拡大することを提案している。
同省が提案した中で最も注目すべき点は、申請手続きの一環として求められている「地方自治体からの認証」を廃止し、企業が事業を管轄するVBSPに直接申請することを提案したことだ。同省によると、このような条件の緩和により企業の70%が条件を満たすとみられる。