キングコブラ(Ophiophagus hannah:コブラ科に分類されるヘビ)に噛まれて腕に巻き付かれた状態でホーチミン市チョーライ病院に救急搬送されたP・V・Tさん(男性・36歳、東南部地方タイニン省在住)は8日、受け取った寄付金の一部をほかの患者に分配した。
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Tさんと同じくチョーライ病院で治療を受けている患者は、重度の腎不全を患い、治療費の工面に苦労している。Tさん夫妻はこの患者の境遇に同情し、自分たちが受け取った寄付金から8000万VND(約37万円)を拠出し贈呈した。
Tさんは建設労働者として働いていたが、数か月前に交通事故で足を骨折し、現在は「何でも屋さん」として生計を立てている。新学期が迫るも子供の学費を工面できず困っていたところ、8月19日に農園で全長2.5m、体重4.6kgの巨大なコブラを発見し、これを捕まえて売ろうとした。
しかし、捕獲を試みる最中にコブラに右の太ももを噛まれてしまった。Tさんは噛まれながらも格闘の末になんとかコブラの首を掴んで取り押さえ、コブラが腕に巻き付いた状態で病院に救急搬送された。
このニュースを知った多くの人々が衝撃を受け、Tさん宛ての寄付金が殺到した。これまでに8億VND(約372万円)の寄付金が集まったという。
今回の入院治療費は約5億VND(約233万円)。Tさん夫妻は治療費を支払った後、今後の治療のために1億VND(約47万円)をとっておき、残る寄付金はすべてほかの貧しい患者に分けることにした。
なお、Tさんは3日以降容体が著しく回復している。