28日昼、ホーチミン市1区人民委員会元副主席のドアン・ゴック・ハイ氏が自ら救急車のハンドルを握ってホーチミン市ビンタイン区ノーチャンロン(No Trang Long)通りのがん腫瘍病院に乗り付け、居合わせた人々を驚かせた。
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ハイ氏が運転する救急車の車体には「貧困患者向け帰省無料車」と書かれており、患者の輸送に適した駐車場所を下見していたのだった。ハイ氏によると、車両は同氏が自費で7億VND(約320万円)で韓国から輸入したもので、救急車として登録済みだという。
取材に対して「ハノイ市からホーチミン市までやその反対、中部や南部メコンデルタ地方、西北部地方とどこへでも、帰省する貧しい患者を無料で輸送します。途中の食事や宿泊費も私が負担します。救急車のナンバーは51B-507.44ですから、見かけたらいつでも声を掛けてください」とハイ氏は語った。
ハイ氏はどこかの病院の専属となるのではなく、時間が許すときに全国各地の病院へ赴き、患者の診断書と退院証明書が確認できれば無料輸送を引き受けるとのこと。
このほかハイ氏はホーチミン市12区にホームレスの女性向けの無料宿泊施設(幅4m、奥行き20m)を建設しており、4か月後に完工する見通し。
ハイ氏は経済の学士号を有し、ホーチミン市1区税関支局の職員や1区経済部長を歴任。1区人民委員会副主席在任中の2017年2月からは、1区で歩道の占拠物など都市秩序に違反した行為に対する取り締まりを強化し、「歩行者のために歩道を取り戻すことができなければ辞任する」、「1区をシンガポールのミニチュア都市に変貌させる」と宣言して自ら現場に足を運び、官民の施設を問わず歩道占拠物の撤去を指導した。
ハイ氏は2019年6月4日に同市人民委員会傘下のサイゴン建設総公社(Saigoncons=SGCC)の副社長に任命されたが、「建設や建築に関する知識を一切持たない私を建設会社の副社長に任命するのはでたらめな決定だ」として、同日に副社長の職を辞任した。また、これに伴い1区人民委員会副主席の職も前日の3日付けで退いた。
一方、副主席在任中の2016~2018年の間には、建ぺい率や建物の高さなどで規定違反にあたる複数の建設許可証に署名していた。これに関連して1区の複数の幹部が処分を受けている。