英国の経済専門紙「エコノミスト」の調査部門であるエコノミスト・インテリジェンス・ユニット(Economist Intelligence Unit=EIU)が6月に発表したレポートによると、ベトナムのがん患者の死亡率はアジアで最も高いことが明らかとなった。
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調査対象となったのは、人口や経済規模の異なるアジアの国々。具体的には、オーストラリア、インド、日本、韓国、中国、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナムの10か国。がん患者の死亡率を割り出すことで、各国のがんに対する予防・検査・治療の効果性を明らかにするもの。
レポートによると、ベトナムにおけるがん患者の死亡率は70%以上となっており、アジアで最も高かった。以下、インド、タイ、中国と続いており、死亡率は60%~70%。なお、国際がん研究機関(IARC)が2018年に発表した資料では、ベトナムの新規がん患者数は約16万5000人、がんによる死亡者数は約11万5000人だった。
ベトナムは、他国と比べて人口当たりの罹患率が高いわけではないが、死亡率で見ると最も高い。この主な原因は、がん発見の遅さにあり、発見した時には既に治療が不可能な段階になっているケースが多いという。
また、10か国のうち、ベトナム、タイ、中国、韓国は肝臓がんの罹患率が高くなっている。肝臓がんについては、アルコールの摂取量を少なくしたり、B型肝炎ワクチンを正しく接種することで予防が可能だ。