5月の電気料金の請求書に記載された金額が急増している。これを受けて、電力会社が設置したメーターに誤作動の疑いがあるとし、全国の世帯から調査を求める声が相次いでいる。
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ベトナム電力グループ(EVN)によると、全国の電力契約者は2600万世帯。このうち、5月の電力使用量が前月比+30%以上増加したのは310万世帯で、全体の12%を占めた。100万世帯は+50%以上、21万5000世帯は+300%以上の増加となっている。
5月の電気料金が高額になったことについて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策の一環で社会的隔離措置が適用された3月~4月の電気料金を上回ったことを多くの国民が不審に思っている。この期間は、自宅勤務やオンライン学習で電力需要が高かったが、5月には既に社会的隔離措置が緩和されていたためだ。
こうした場合、電力メーターの保守点検を行うのが重要だが、メーターについては設置から保守点検にいたるまでEVN傘下の電力会社が独自に行っているのが現状。専門家らは、電力メーター点検の担当を独立系機関に移すよう提案している。
これに関連し、グエン・スアン・フック首相は22日の政府会合で、EVNに対して電気料金急増について調査を指示。違反を発見した場合、関係者を厳格に処分するよう求めた。
これに先立ち、東北部地方クアンニン省バンドン郡(huyen Van Don)の民家に届いた5月の電気料金の請求額が8930万VND(約41万5000円)だったことが現地メディアで大きく報じられた。
この世帯は3人世帯で、通常の1か月分の電気料金は数十万VND(10万VND=465円)程度だったが、5月分は異常な高額請求書が届いた。抗議を受けた電力会社が調査した結果、電力メーターの遠隔測定装置のトラブルが原因で、異常な数値を出していたことが明らかとなった。