11日午後、ハノイ市の中央熱帯病病院で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療を受けていた患者8人が回復した。これにより、ベトナム国内で確認された感染者288人のうち249人が回復し、残る治療中患者は39人となった。
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今回退院した8人の患者のうち4人は、多くの感染者を出した同市メーリン村ハロイ村落(thon Ha Loi, xa Me Linh)の在住者。4人は5月に入って行った2度の検査で陰性となり、症状もなく、健康状態が安定しているため、回復済みの条件を満たした。ただし、再陽性となる可能性もあるため、このまま病院に留まり、14日間の健康観察を受ける。
なお、ベトナムでは海外からの入国者を除く国内での新規感染は26日間続けてゼロ人となっており、これまでに新型コロナウイルスによる死者は一人も出ていない。
国内で治療中の感染者のうち、最も重症化しているのは、国内91人目の感染者であるベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)の英国人パイロット(男性・43歳)。この患者はホーチミン市の熱帯病病院に入院中だが、既に1か月以上にわたり体外式膜型人工肺(ECMO)治療を受けている。
この患者は、免疫系が暴走するサイトカインストーム(サイトカインが過剰に産生され、正常な細胞まで攻撃してしまう免疫反応)を起こしており、肺が線維化し硬くなっているため、肺移植が検討されている。