グエン・スアン・フック首相は1日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について全国規模での流行を宣言した。全国規模での流行宣言により、今後は一層の対策強化が予想される。
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流行宣言によると、ベトナムにおける新型コロナウイルス感染症の流行は1人目の感染者が確認された1月23日に始まった。新型コロナウイルス感染症は世界的な流行が懸念されるレベルA(最も危険)の伝染病として扱われ、伝染病防止法に従い、国家指導委員会の発足や健康申告、対象者の隔離、感染流行地域の封鎖など緊急措置の適用、リソース確保、国際協力など10種の緊急対策を実施する。
フック首相はこれに先立つ3月31日、4月1日からの15日間に全ての世帯および行政区を対象とした「全国隔離措置」を適用するよう指示した。これにより、全ての世帯および全レベルの行政区(村落、村、郡、市・省)はそれぞれに別れて互いを隔離しなければならず、公共の場に3人以上で集まることも一切禁止される。
首相は1日に開かれた政府会合で、この措置について「感染の更なる拡大を抑え、人の健康と生命を守るためのソーシャル・ディスタンシング(社会距離拡大戦略)であり、社会の封鎖では決してない」とし、「商品の流通や輸出は通常通り行われている」とコメントした。
医療システムが限られているベトナムは、1人目の感染者が確認された時点から積極的に対策に取り組んでいる。入国者に集中隔離施設での隔離を義務付けるほか、感染者の接触者らを特定・監視するなどの一連の対策が功を奏し、感染者数の増加を効率的に抑えている。
保健省によると、ベトナム国内の感染者数は4月1日正午時点で212人となり、うち60人が完治している。