南部メコンデルタ地方でここ数か月、海水の侵食による塩害が深刻化しており、既にベンチェ省、ティエンザン省、ロンアン省、カマウ省、キエンザン省の5省が緊急事態宣言を出している。
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同地方では例年、テト(旧正月)明けから塩害被害が発生していたが、今年度は昨年11月から海水の浸食が始まり、畑の水路などの塩分濃度が4~5‰(パーミル)に達している。
海水が農耕地に侵食していることで、塩害が深刻化。ベンチェ省だけで、3000haの稲作地が枯れてしまい、2万haの果樹園が被害を受けている。塩分濃度の上昇により、養殖魚が死んだり、成長が妨げられたりするなど、養殖業にも影響が出ている。
また、テト明け以降、同地方の至る所で水道水の塩分濃度が上昇して使用不可能となっているため、住民は生活用水を高価格で購入せざるを得ない状況にある。一部の地域では、生活用水が1m3当たり30万VND(約1400円)という高値で売られているという。