ホーチミン市1区ティーサック通り(duong Thi Sach)15番地にある一等地の公地違法販売に関する事件の裁判で、同市人民裁判所は12月31日、同市元幹部の被告5人に対する判決を言い渡した。
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被告5人は、いずれも公的資産の使用・管理に関する国家規定に違反し、損失・浪費をもたらした罪に問われ、量刑が10~20年となる刑事法第219条に触れたとされていたが、裁判所は事件の背景を考慮して量刑より軽い処分とした。
このうち、同市人民委員会元副主席のグエン・フウ・ティン被告(男・62歳)は禁固7年、同市資源環境局元局長のダオ・アイン・キエット被告(男・62歳)は禁固6年、他の3人は禁固3年~5年の判決を言い渡された。
同事件に関連して、公務執行にあたり職権を乱用した罪で既に禁固刑を言い渡されている不動産業界の重鎮ファン・バン・アイン・ブー被告(男・44歳)は、2009年から公安省の「諜報員」として活動。同被告が会長を務めたバックナム79建設(Xay dung Bac Nam 79)とノバ・バックナム79(Nova Bac Nam 79)の2社は、公安省の一部の上級幹部が不正を働くための同省傘下組織として扱われていた。
公安省上級幹部の支援を受け、同2社は「諜報活動のため」として、ホーチミン市ティーサック通り15番地のほか、南中部沿岸地方ダナン市、そして同省の管理する複数の不動産を、時価を大きく下回る価格で取得し、国に多額の損失をもたらした。問題の資産は取得後に転売または営利目的の不動産開発に使用されていた。
裁判所は、ティン被告らが私的な利益を追求しなかったものの、公安省幹部らの違反を指摘せず、結果的には違法販売に手を貸したと判断。情状酌量の余地を考慮して量刑より軽い処分を下した。
なお、公安省における違反事件では元次官2人を含めた被告5人が2019年1月の裁判で禁固刑の判決を言い渡されている。