国内大手コーヒーメーカーのチュングエングループ(Trung Nguyen Group)の会長を務めるダン・レ・グエン・ブー氏(48歳)と妻のレ・ホアン・ジエップ・タオ女史(46歳)の離婚裁判の控訴審で、ホーチミン市上級人民裁判所は5日、4日間に及ぶ裁判を経て一審判決を概ね支持した。
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判決によると、2人の離婚を認めると共に、タオ女史が子供4人の親権を獲得する。また、ブー氏は養育費として2013年に遡って子供4人の大学卒業まで年間100億VND(約4800万円)を支払わなければならない。財産分割については、総額約7250億VND(約35億円)の不動産を2人が半分ずつ受け取る。
タオ女史が管理している銀行預金1兆7640億VND(約84億円)とチュングエングループにおける株式約5兆3650億VND(約256億円)については、タオ女史が銀行預金の全てを受け取り、株式はブー氏60%、タオ女史40%の比率で分割する。ただし、チュングエングループの安定した活動のため、ブー氏が株式の全てを受け取り、タオ女史に株式相当分の現金を支払うこととする。
同グループはベトナム最大のファミリーカンパニーの1社。判決により、タオ女史は同グループの株式を完全に失い、ブー氏が経営支配権を完全に掌握することになる。裁判所が「婚姻中に形成される資産は夫婦が共有するもので、財産分割は財産の現状を踏まえ双方の貢献度を検討し行う」との現行規定を運用し判決を下したものとみられる。
なお、タオ女史が経営支配権を握っているコーヒーメーカーのチュングエン・インターナショナル(Trung Nguyen International=TNI)は、コーヒーチェーン「キングコーヒー(King Coffee)」を展開するなど、チュングエングループと直接競争している。