交通運輸省の要請を受けて、ハノイ市当局は10日から、同市のディエンビエンフー(Dien Bien Phu)通り~フンフン(Phung Hung)通りの区間に敷かれた線路脇へ観光客が立ち入ることを禁止している。ここは線路沿いのカフェが軒を連ねるエリアで、立ち入りが禁止される前までは昼夜問わず観光客で賑わっていた。
(C) dantri |
市はパトロール隊を配置したり、英語とベトナム語の標識を立てたりして対策に取り組んでいる。この背景には、「インスタ映え」などの目的で写真を撮る観光客を避けるため、線路を走行中の列車が緊急停車するケースが相次いだことがある。
この線路沿いのエリアに最初のカフェがオープンしたのは約1年前のこと。コーヒーを飲みながら列車が走る光景を眺めることができるとして人気を集め、わずか1年間で20店以上が集まるカフェ街となり、繁盛していた。
しかし、現行規定では、線路から左右5m以内は鉄道制限区域とされており、ここでの営業活動は一切禁止されている。
この区間ではレール幅1mの線路が住宅街を通っているが、100年以上前に整備されて以来、現在も柵がなく線路から住宅までの距離も1m程と非常に近い。それにもかかわらず、多くのカフェ店主が線路脇にテーブルなどを配置して規定に著しく違反し、観光客が写真や動画撮影のために線路内に立ち入ることが問題となっていた。