ベトナム製を装って中国製の製品を国内外で販売していた疑いが持たれている地場電機メーカーのアサンゾ・ベトナム(Asanzo Vietnam)に書類偽造疑惑が浮上したことを受けて、シャープ株式会社(大阪府堺市)のベトナム現地法人であるシャープ・ベトナム(SHARP Vietnam)は、シャープの委任のもと、9月26日付けで公安省やホーチミン市公安局などの管轄機関宛てに告訴状を送付した。
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シャープ・ベトナムは、アサンゾ・ベトナムが「機関・組織の印鑑の偽造」、「偽造の印鑑・書類の使用」などの違法行為を働いたとしている。
アサンゾ・ベトナムは9月17日の記者会見で、「日本の技術の集大成」の宣伝文句で消費者を騙したとの疑惑について「日系シャープの香港合弁会社であるSharp-Roxy (Hong Kong)との間で電子製品購買や技術移転に関する事業提携契約を結んでおり、この契約は現在も有効だ」と主張し、Sharp-Roxy (Hong Kong)がアサンゾ・ベトナムとの事業提携を証明したとする旨の2019年9月12日付けの書類を提示した。
シャープ・ベトナムは告訴状で、「シャープは2016年に香港のRoxy Electricとの合弁契約を解消してSharp-Roxy (Hong Kong)を子会社化し、2016年10月に社名をSharp Hong Kongに変更した」とし、「アサンゾ・ベトナムが報道陣に見せたSharp-Roxy (Hong Kong)の書類は偽造に違いない」と改めて強調した。
シャープ・ベトナムは、アサンゾ・ベトナムの捏造した情報がシャープの尊厳を損なったとし、公安機関に対して問題の書類に関する捜査を促すとともに、アサンゾ・ベトナムを厳格に処分するよう要請した。
また、シャープ・ベトナムはアサンゾ・ベトナムに対して、情報の訂正と公開謝罪を求めている。アサンゾ・ベトナムがこれに応じなければ、シャープ・ベトナムは裁判所への正式な提訴手続きを開始する方針だ。
一方、アサンゾ・ベトナムのファム・バン・タム会長は電子新聞大手VNエクスプレス(VnExpress)のインタビューに対し、「提示した書類は確かに中国の取引先から受け取ったもの。取引先に説明を求めている」とコメントした。