少子化で学生が減少している韓国の大学。とくに地方の私立大学は定員割れが問題化している。一方、韓国教育省によると、語学などの研修生という資格で韓国入りしているベトナム人は2016年の2921人から19年には2万4144人へと急増した。そこで各大学がベトナム人学生の取り込みに乗り出し、激しい競争となっている。
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大田(テジョン)市にある培材(ペジェ)大学では昨年、学長自らホーチミン市へ赴き、高校で入試説明会に参加したほか、大学では交換留学生の契約を更新した。慶尚南道(キョンサンナムド)にある大学はベトナムに10か所の韓国語学校を設置し、入学予定の学生が安価に韓国語を学べるようにしている。
とある大学の留学生担当者が「学生をいち早く取り込むのが大事」と話すように、大学はあの手この手で学生誘致を行う。競争過熱から一部大学では、韓国への留学資格に満たない事実に目をつぶって学生を入学させるケースも出ている。とくに所得基準が未達の学生は韓国でアルバイトばかりしていることも多く、不法就労につながる可能性が高い。
韓国法務省は留学生の不法滞在率が1%未満の大学に対し、優遇措置を施すなどの対策を講じている。しかし学生数が多いからこそ率も低くなるため、制度が無分別な学生受け入れを助長しているとの指摘も出ている。