公安省麻薬犯罪捜査警察局(C04)は11日、国内で過去最大規模となるケタミン(Ketamine、麻薬の一種)密輸ルートを摘発した。
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張り込みを経てこの麻薬密輸ルートの動きを把握した警察は、11日に摘発に踏み切った。ホーチミン市タンフー区、タンビン区、ビンチャイン郡にある複数の倉庫の立ち入り検査を実施し、液体ケタミン約500kgを押収した。
麻薬は袋に詰められ、機械設備の内部などに隠されていた。海外から陸路で麻薬を調達し、ベトナム経由で第三国に密輸しようとしていたとされる。同事件で、中国籍のLiu Ming Yang容疑者(男・34歳)ら複数人が麻薬密輸容疑で逮捕された。
ケタミンは、アリルシクロヘキシルアミン系の解離性麻酔薬だが、乱用薬物でもある。日本では2007年より麻薬及び向精神薬取締法の麻薬に指定されている。値段が他の薬物と比べて高額であることから、金持ち向けの麻薬とも言われる。
1kgの値段は約10億VND(約480万円)で、今回押収されたケタミンの総額は5000億VND(約24億円)にも達すると試算される。
かつてはタイが東南アジアにおける麻薬の交通結節点となっていたが、同国当局は港などに最新式の機械設備を導入して麻薬の取り締まりを強化している。これを背景に、時代遅れの機械設備を使用しているベトナムは近年、タイに代わる麻薬の交通結節点の1つになっている。