ベトナム国防省防空・空軍部隊と米国国際開発庁(USAID)は20日、東南部地方ドンナイ省ビエンホア空港のダイオキシン除染プロジェクトを始動した。ビエンホア空港はベトナム戦争によるダイオキシン汚染が最も深刻な地域の1つで、南側と西側の土壌約50万m3がダイオキシンに汚染されている。
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20日に同空港で開かれた式典にはベトナム側からチュオン・ホア・ビン副首相、グエン・チー・ビン国防次官らが、米国側からは米国上院議員のパトリック・リーヒ氏らが出席した。
ベトナム国防省とUSAIDは2018年5月に、ビエンホア空港でのダイオキシン除染プロジェクト実施に関する合意書を締結した。2018年から2023年までの5年間には、米国から1億8300万USD(約203億円)の無償支援を受けてプロジェクトを実施する。
ベトナム側はプロジェクトの実施に備えて、2006年から2010年までと2014年から2017年までの2期に分けて、ビエンホア空港のダイオキシン汚染土壌15万m3の集積を行った。この作業の投資額は1500億VND(約7億2000万円)。
両国は2000年からこれまでに、国防分野で軍医育成や地雷・不発弾の除去、枯葉剤被害克服、米軍戦没者の遺骨捜索などで協力し大きな成果を収めており、こうした活動が両国の協力関係の強化につながっている。
ベトナム戦争当時、米軍はビエンホア空港に大量の枯葉剤を備蓄し、1969年12月から翌年3月までの間に2万7500Lの枯葉剤漏出事故を起こした。これにより、同空港のダイオキシン汚染は深刻なものとなっている。