農業農村開発省植物保護局はこのほど、化学物質「グリホサート(Glyphosate)」を含む除草剤の新たな輸入契約を結ばないよう、各組織や個人に求める公文書を出した。米カリフォルニア州地方裁判所で、グリホサートを含む除草剤「ラウンドアップ(Roundup)」ががんを発症させた大きな要因だったと認められたことを受けた措置。ラウンドアップは米農薬大手モンサント(Monsanto)が製造販売している。
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植物保護局のホアン・チュン局長によると、現在ベトナムではグリホサートを含む除草剤が輸入販売されている。近い将来、使用禁止にする予定だが、それには手続きが必要となる。新たな輸入契約は禁止しても、市場に流通中の製品や既に契約した分については、通常通り販売されることになるという。
植物保護局は、除草剤のメーカーや輸入業者に対し、グリホサートを含む除草剤の生産・在庫・販売・流通・輸入などの状況を3月30日までに報告するよう指示した。こうした措置は人の健康・安全と環境・生態系保護を目的とするもの。
ベトナムは毎年平均10万tの農薬を輸入している。うち30%が除草剤で、30%は殺虫剤。残りは一時輸入後に再輸出されている。