南中部沿岸地方クアンガイ省ビンソン郡ビンタイン村で9日夜、テト(旧正月)に合わせて里帰り中だった越僑(在外ベトナム人)の男女2人が、バイクに乗った見知らぬ男2人に硫酸を浴びせかけられる事件が発生した。
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被害に遭ったのは、いずれもカナダに住んでいるV・D・Nさん(男性・26歳、ベトナム国籍)と恋人のN・T・N・Tさん(女性・26歳、カナダ国籍)の2人。事件当日、2人はNさんの親族と夕食の約束があり、バイクでレストランに向かう途中で被害に遭った。
これにより、Nさんは重度の火傷を負い、さらに倒れた瞬間に刃物で膝とかかとを切りつけられた。Tさんも軽度の火傷を負った。2人は同地方ダナン市に救急搬送されて治療を受けた後、カナダの保険会社の手配により15日に専用機でタイの病院に転送されて治療を受けている。
NさんとTさんは、カナダで他人に恨みを持たれた覚えがあるという。2人は同国でネイルスパを営んでいる。
現場から近い民家の監視カメラには不審な男2人が映っていた。男らは北部訛りのベトナム語で、白いバイクに乗っていた。警察はカメラの映像などをもとに容疑者の行方を追っている。
警察は同じくカナダに住んでいる越橋でテトのため里帰りをしていたNさんの実兄V・D・Hが同事件に関与していると見て出国禁止措置を適用したが、Hはその直前にカナダに戻っていた。Nさん兄妹の父親はHの関与を真っ向から否定している。
同事件に関連して、グエン・スアン・フック首相は国の治安や投資環境に悪影響を及ぼす深刻な事件だとしてクアンガイ省当局に捜査を促し、厳格に処分するよう指導した。