ホーチミン市では、小学1年生および中学1年生の入学募集が間もなく始まる。こうした中、保護者が子供を学区外の名門校に入れるため、学校関係者に賄賂を渡すといった動きが本格化している。
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規定では、街区・村は学区に分けられ、生徒は居住している学区内の学校に通うことになっているが、多くの生徒は学区外の名門校や、送り迎えの負担が少なくなるよう両親の会社の近くにある学区外の学校に通っているのが現状だ。
同市当局は、学生の学区外入学をなくすよう指導し、違反した場合は厳格に処分するとしているが、保護者は戸籍謄本と長期滞在登録証(KT3)という対策に取り組んでいるため、処分するのは至難の業だという。
保護者は、子供を入れたい学校の属する学区に住んでいる知人、または学校関係者が紹介した人々に頼んで、子供の戸籍謄本またはKT3を作ってもらい、子供を「学区内の生徒」とすることで、希望の学校に入れるチャンスが増える。
各校にとって、学区外の生徒を受け入れることはもはや珍しくないが、学校側は過剰な定員オーバーを防ぐため、戸籍謄本とKT3の記入時期を限定して受け入れ生徒数を制限している。
このため、保護者は子供を希望の学校に確実に入れるため、子供の戸籍謄本またはKT3を新たに作ってもらうだけでなく、校長に入学の「感謝料」を渡さなければならない。1区のある名門小学校に入学するための「感謝料」は4000万~8000万VND(約19万2000~38万5000円)となっている。