ホーチミン市クチ郡のスエンアー食肉処理場で、投与が禁止されている鎮静剤(コンビストレス=Combistress)を注射された豚4000頭近くが発見された事件について、15日に同市ホックモン郡で集会が開催され、ホックモン卸売市場の豚肉販売業者の代表トン・ヌー・キエウ・チャンさんが事件に至った経緯を説明した。
チャンさんは原因の一つとして、以前には複数あった食肉処理場が相次いで閉鎖され、スエンアー食肉処理場の独占状態になり、豚の受け入れ料金が不合理に引き上げられたことを指摘した。以前は1頭当たり5000VND(約24.9円)だった料金が、各地の食肉処理場閉鎖後に4万8000VND(約239円)に値上げされた。利益を確保するため、豚に鎮静剤を打って肉をピンク色にして高値で販売しようとしたという。
同市農業農村開発局のズオン・ホア・ソー副局長は、閉鎖された食肉処理場は環境や食品の衛生安全に関する条件を満たしていないと説明。スエンアー食肉処理場を21日間営業停止にした後、近隣3省の食肉処理場に豚の受け入れを要請したという。ただ、処理能力が追い付かないため、スエンアーを26日に再開することを認めたとした。
同市共産党委員会のグエン・ティエン・ニャン書記は農業農村開発局に対し、閉鎖された食肉処理場を整備して再開し、独占状態を解消するよう求めた。
なお、スエンアー食肉処理場は、1日当たり豚5000頭の処理能力がある市内最大の食肉処理施設で、市内の豚肉供給量の約50%を占めている。