9月5日のお盆(旧暦7月15日)を控え、冥器を専門に取り扱うハノイ市のハンマー(Hang Ma=冥器)通りは冥器を買い求める客で賑わっている。
(C) vietq |
ベトナムでは、お盆だけでなくテト(旧正月)や故人の命日などに紙製の冥器を捧げて供養する習慣がある。以前は紙幣や洋服、履物などが主流だったが、近年ではスポーツ用品やキッチン用品などの日用品のほか、携帯電話、液晶テレビ、カメラなどの「ハイテク機器」、高級スクーター、一軒家などがピンからキリまで登場し、人気を集めている。
ハンマー通りにある冥器専門店のオーナーは、「まとまったお供え物を揃えなければ故人に悪いと思い、携帯電話、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、自動車、バイク、住宅など生活に必要なもの全てを3000万VND(約14万6000円)で購入する人もいる」と語る。
紙製の冥器は、「ソニー(Sony)」ブランドのテレビが10万VND(約485円)、「iPhone」ブランドのスマートフォン、「iPad」ブランドのタブレットが6万VND(約290円)、ホンダの高級スクーター「SH」、「スペーシー(Spacy)」シリーズのバイクが18万VND(約870円)、高級住宅がデザインによって25万~35万VND(約1200~1700円)で販売されている。
今年の目玉商品は、独身で亡くなった人に贈る夫婦用の高級ファッションセットで、大いに人気を集めている。このセットの値段は50万~100万(約2400~4900円)が目安となっている。