労働傷病兵社会省はこのほど、国内12省・市に属する109区・郡から韓国への労働者派遣を停止することを発表した。
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これは、韓国で労働するベトナム人のうち30%が労働契約満期後も韓国に不法残留しているという結果を受けて、ベトナム人3600人の採用に向けて実施される「雇用許可(EPS)プログラム」の韓国語テストシーズンにあたり、韓国がベトナム側に要求したもの。
労働者派遣が停止された地域が特に多いのは、◇北中部地方ゲアン省(13郡)、◇ハノイ市(12地域)、◇北中部地方ハティン省(11地域)で、◇紅河デルタ地方ハイズオン省、◇同タイビン省、◇同バクニン省、◇同フンイエン省、◇東北部地方フート省、◇紅河デルタ地方ナムディン省、◇北中部地方タインホア省、◇同クアンビン省でそれぞれ1~10地域が労働者派遣停止地域に指定されている。
但し、台湾プラスチックグループ(フォルモサ・プラスチック・グループ=Formosa Plastics Group)傘下のフォルモサ・ハティン・スチール(Formosa Ha Tinh Steel Corporation=FHS)が2016年4月に北中部地方沿岸一帯で引き起こした魚の大量死事故の影響を受けたハティン省5郡(ギースアン郡、カムスエン郡、ロックハー郡、タックハー郡、キーアイン郡)とクアンビン省3地域(ボーチャック郡、バードン町、ドンホイ市)は、労働者派遣停止地域から除外されている。
2016年7月~2017年2月に韓国で失踪したベトナム人労働者が最も多い地域はゲアン省ドールオン郡で75%、同ナムダン郡で56%で、フート省についてはドアンフン郡から派遣された労働者14人全員が労働契約満期後に失踪し不法残留している。韓国への労働者派遣の停止により、約3万5000~4万人のベトナム人が韓国での就労の機会を奪われるかたちとなっている。
韓国とベトナムは、2013年におけるベトナム人労働者の韓国不法残留率が50~55%に急増したことを受けて協議を重ね、2016年5月からEPS制度を設けている。またベトナム側は韓国へ派遣する労働者に対し担保や罰金の規定を設け、韓国側は出頭した不法残留ベトナム人労働者に対して罰則を減免するなどの優遇措置をとっている。