保健省母子保健部の統計によると、ベトナムの未成年女児の妊娠率は2012年の3.39%から2015年には2.66%へと減少したものの依然として高く、懸念すべき状態が続いている。
2015年の未成年者の出産件数は約4万2000件で全体の約3.5%を占めた。中絶件数を見ると、2010年は全国の47万件のうち未成年者は約9000件(約1.9%)だったが、2015年には約28万件のうち約5500件(約2%)となった。これらは公立病院で確認された件数で、民間病院も含めればこれよりかなり多いとみられる。
保健省人口・家族計画化総局のグエン・バン・タン副局長によると、未成年者に対するリプロダクティブヘルス(性と生殖に関する健康)サービスには、まだ多くの課題がある。婚姻前の性交渉についてはオープンな考えを持つようになる一方、リプロダクティブヘルスに関する正しい知識が十分に未成年者に届いていないという。
タン副局長は原因として、未成年者の親や社会全体に、リプロダクティブヘルスサービスに対する偏見があると指摘する。性に関する知識を早くに持たせれば、かえって興味を持たせてしまうと考える人がいまだに多い。これは避妊やHIV感染防止に関する知識の普及にも障害になっているという。