南中部高原地方ダクノン省警察は22日、同省クークイン郡エアボク村在住のチャン・ミン・ロイ容疑者(男・48歳)を賄賂教唆の疑いで逮捕した。
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警察によると、同省ダクミル郡警察は1月15日に違法賭博を摘発し、賭け事に興じていたギャンブラー6人を逮捕した。同事件を担当するライン・タン・ビン警察官は、ギャンブラーらの家族に金銭を要求し、代わりにギャンブラーらの釈放を支援すると約束した。
ギャンブラーらの家族はロイ容疑者に相談した上で、喫茶店でビン警察官に現金6000万VND(約30万3000円)を手渡すと共に、秘密裏でその様子を撮影・録音した。ロイ容疑者はこれを証拠物件として、ビン警察官を告発した。
警察は「公務執行にあたり役職・権限を乱用した」疑いでビン警察官を逮捕、他の警察2人に対して職務停止処分を科した。一方で、ギャンブラーらの家族を贈賄容疑で捜査対象とし、ロイ容疑者についても贈賄教唆容疑で逮捕した。
ロイ容疑者はこれまでに同省及び同地方ダクラク省で発生した複数の汚職事件を告発してきた。これにより、警察や検察院の職員を含めて多くの地方政府関係者が処分を受けることになった。
同氏は自身のフェイスブック(Facebook)ページ「チャン・ミン・ロイ=内敵駆逐(Tran Minh Loi – Diet giac noi xam)」で各事件の経緯などを投稿していた。また、同ページで携帯電話番号及びEメールアドレスを公開し、国民からの汚職に関する相談にも乗っていた。
多くの地方政府関係者を敵に回した彼が逮捕されたのも、ここベトナムでは珍しいことではない。以前も国内大手新聞トゥオイチェー紙の記者が金銭を要求した交通警察官を摘発し、ロイ容疑者と同じく贈賄教唆罪に問われた。この記者は禁固4年の判決を言い渡された。