ベトナムはこれまでHIV/エイズ対策費の約80%を外国からの援助資金に頼っていたが、2017年からこの援助が完全にストップする。国の対策予算は限られているため、今後HIV感染が拡大する恐れがあるという。
(C)Dan tri、入院治療中のHIV感染者 |
HIV/エイズ予防局によると、HIV感染者の累計数は30万人余りで、これまでに約7万3000人がエイズを発症して死亡している。ただしこれは報告のあった数字で、実際にはこれよりはるかに多くの人が感染していると考えられている。
ベトナムが貧困国から抜け出たことを背景に、HIV/エイズ対策への国際援助は徐々に減少し、2017年には全額を自国で賄うことになる見込みだ。国際援助の減少分を穴埋めする方法として、いくつかの財源が検討されている。これは、◇国の予算、◇地方予算、◇社会保険、◇患者本人からの徴収の4つで、始めの2つは承認待ち。後の2つは既に実施されている。
HIV/エイズ予防局によると、これまで麻薬中毒者への注射針配布、売春婦へのコンドーム配布、合成鎮痛薬のメタドン(methadone)による治療の3つの対策を重点的に実施していたが、援助資金が減っているため、注射針などの供給数が大幅に減少しているという。