国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)はこのほど、公式サイトにて、ベトナム東北部クアンニン省にあるイエントゥー遺跡地区が世界遺産登録物件に推薦されると明らかにした。
(C) VOV, イエントゥー山 |
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クアンニン省は2012年から、イエントゥー遺跡地区の世界遺産登録申請に向けた準備を進めてきた。推薦書は、クアンニン省とバクザン省の人民委員会が協力して2015年9月までに作成する。その後、推敲を重ねて2016年中にユネスコに提出する方針で、ユネスコは2017年に登録の可否を決定する。
イエントゥー遺跡地区は、クアンニン省ウオンビ市イエントゥー山にある寺院群で、ベトナム北部では有名な歴史的観光地。同省は、中国との国境および北部湾(トンキン湾)に接しており、古くから外国との文化交流が盛んで、特色のある仏教や学問、思想などが発達した。
イエントゥー山は、ハロン湾に面した聖なる山で、高さは1068m。ベトナム仏教の聖地とされており、数百もの寺院・仏塔が点在し、数千にも及ぶ歴史遺物が残されている。山頂にあるドン寺は、チャン(陳)王朝のチャン・ニャン・トン王が外敵との戦いに勝利した後、山に籠って修行し、チュクラム禅宗を興した発祥の地とされている。