南部最大の総合病院、チョーライ病院(ホーチミン市)は10月28日、臓器提供意思表示カード(ドナーカード)の発行を開始した。国内病院でドナーカードが発行されるのは今回が初めて。
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ドナーカード所持者第1号は他でもない同病院のグエン・チュオン・ソン院長で、同病院で働いている多くの医師もドナーカードを所持している。発行を開始してから11月6日までの1週間余りで既に114人のドナーを確保できたという。
ドナーは、感染症に感染しておらず、臓器が健康な状態であることが条件となっており、年齢も18歳~60歳までと制限されている。ドナーカードを所持する人が何らかの事故により死亡した場合、病院側はまず遺族の承認を得た上で臓器を摘出する。その後、以前に公開された条件に照らし合わせて、臓器移植委員会が適切な患者を選び出すという客観的な審査を経て移植手術が行われる。
腎臓移植手術が初めて行われた1992年からこれまでの間に、同病院では約400件の移植手術実績があるが、血縁ドナーの比率が95%にも達しており、その大半は生きたまま臓器を提供したケースだという。
なお、保健省も国家臓器移植管理センター(ハノイ市)を通じてドナーカードの発行計画を進めている。2013年に設立され、全国の臓器移植手術を手配する国の施設として位置付けられている同センターだが、ベトドク病院の傘下で人材も同病院が派遣しており、同センターによって手配される臓器移植手術の数は非常に限られている。