フーコック島(メコンデルタ地方キエンザン省)は真珠の養殖で知られる。島内では多くの場所で「フーコック真珠」が売られているが、そのほとんどは低品質の模倣品や偽物だ。
(C)Thanh nien,T.Trinh |
真珠の養殖は1994年に日系企業が初めて手掛け、その後オーストラリア企業が続いたが、金融危機で外国企業が撤退し、その後地場業者が養殖場を受け継いでいる。島内の真珠養殖業者は数社しかなく生産量が少ないため、販売は直営店のみに限られている。
しかし島内のレストラン、ホテル、土産物店、雑貨店などには「フーコック真珠」として売られている真珠があふれている。ジンカウ市場のある土産物店の店主は「この島にはフーコック真珠しかない」と言い切った。
クオックアン真珠養殖場のオーナーは「直営店で販売する真珠さえ品薄なのに、外部に卸すことはありえない」と話す。かつて真珠の取引をしていたという男性は、養殖場直営店以外の店で売られている真珠のほとんどが格安で低品質の中国産だと明かした。ただ、本物か模倣品かを外見だけで判断するのは難しいという。