首相決定29号/2014/QD-TTgによると、更生した売春婦や薬物中毒からの回復者などの本人やその家族を対象とした事業資金融資制度が6月15日から開始される。融資額は必要額と返済能力によって決められ、担保は求められない。ただし融資限度額は、個人の場合が2000万ドン(約9万7000円)、家族の場合が3000万ドン(約14万6000円)となっている。
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この決定に対し、現役の売春婦の多くは冷めた態度だ。ハノイ市カウザイ区を拠点とする20歳のCさんは「2000万ドンでは少な過ぎる。私なら1か月でこの倍近く稼げてしまう」と話す。また、売春は職業の一つに過ぎず「更生」する必要はないと反発した。
カラオケオム(風俗サービス付きカラオケ)で働く女性Hさんも「この金額では少な過ぎて何も始められない。せいぜい路上の茶店程度」と批判。さらに売春婦だったことをどうやって証明するのかと疑問を投げ掛けた。
一方、30代後半にさしかかった売春婦らは、この制度を歓迎するものの何を始めたらいいのか分からないと話す。社会政策の対象者を支援するという決定の意図は正当なものだが、実際には解決すべき問題がまだ多いようだ。