東南部ビンズオン省ベンカット郡およびタンウエン町の人民裁判所は25日、南シナ海での中国による石油掘削をめぐっての反中デモが暴徒化した事件で、男2人に有罪判決を言い渡した。今回の反中デモでは、同省だけで117件が刑事事件として立件されたが、判決が出たのはこれが初めて。
(C) saigontimes, チャウ・ミン・トゥオン被告 |
有罪判決を受けたのは、メコンデルタ地方カマウ省出身のレ・バン・ギエム被告(23歳)と同ドンタップ省出身のチャウ・ミン・トゥオン被告(18歳)で、判決はそれぞれ禁固3年と禁固1年となった。
検察によると、ギエム被告は反中デモが発生した13日の夜、デモ隊と共に自分の雇用先である台湾系企業の門を破壊し、工場に押し入り、その後、通報を受けて駆けつけた警察の車両を破壊するなどして逮捕された。
また、トゥオン被告は同日夜、デモ隊が外資系企業を襲撃した後に工場に侵入し、パソコンやスキャナーを盗んだ。なお、トゥオン被告と共に窃盗を働いたグエン・バン・チュック容疑者は14歳になったばかりで、刑事責任能力を持たないため、刑事処分は見送られた。
弁護側は被告らが出した被害が少なかったこと、また学歴の低さから、自分の行動について十分に認識できなかったことなどを理由に減刑を求めたが、検察と裁判所は、「物的な被害自体より、外資系企業を襲撃したことによる今後の国の投資環境に及ぼす影響を懸念すべき」として両被告に禁固刑を言い渡した。