情報通信省出版局がこのほどメコンデルタ地方カントー市で開催した会議で、2013年上半期に出版された歴史・地理の教材や子供向け知育教材の中で、国内の出版規定に抵触する違反が数多く見つかったとの指摘が挙がった。30日付テータオベトナムが報じた。
具体的には出版社23社が発行した56の出版物に多くの違反や誤植が見つかった。代表的なものとして、◇未就学児向け知育教材に描かれているイラストの国旗がベトナムの国旗ではなく中国の国旗になっていること、◇ベトナムの地図にベトナムが領有権を主張している南シナ海ホアンサ(英語名:パラセル、中国名:西沙)諸島及びチュオンサ(中国語:南沙、英語:スプラトリー) 諸島が載っていないこと、◇歴史・文学の教材で人物名や年号の誤植があること、などが挙げられる。
特に、中国との領土問題に関わるような誤植は国のアイデンティティを揺るがすものになりうるとして、該当する出版物の回収が行われた。
違反や誤植が見つかった出版物の殆どは出版社自身が制作したものではなく、提携先の出版物の著作権を購入して翻訳したもの。出版物管理当局は今後、出版物の質を高めるべく一定のレベルに達した者のみに編集者の資格を与えるなどして対策に取り組んでいく方針。