ところがリンさんは、親が決めた結婚話を断ることができず、オーストラリアに行くことになってしまった。フオンさんには留学に行くと嘘をついた。結婚生活の間、自殺を考えたことが何度もあったという。2年後、リンさんは夫や夫の家族に申し訳ないと思いつつも、離婚に踏み切った。
(C)VnExpress、リンさん(左)とフオンさん |
リンさんはベトナムに帰り、フオンさんの両親の商売を住み込みで助けることになった。2人は密かに愛しあっていたが、やがて両親に知られるところとなり、リンさんは家から追い出された。リンさんの家族も2人の関係を認めなかった。
それから3年ほどの間、2人は家を借りて貧しいながらも共に暮らす。この間に両家の家族に理解者が現われ、2人の関係は徐々に受け入れられていった。5年前には両家から完全に認められた間柄となり、小規模ながら披露宴が行なわれた。リンさんは「フオンのお母さんからお婿さんと紹介されました」と満足そうに笑った。
2人の生活では、リンさんが夫役として何を食べるか、何を着るか、どこに行くかなど何でも決めている。家の内外で故障した物の修理もこなす。フオンさんに学校に通うよう勧めたのもリンさんだ。家長的な性格だが、ロマンチックな面もある。2人が初めて知り合った記念日には、いつもプレゼントをしてくれるという。
2人の恋バナはまるで「千一夜物語」のよう。2人は、来年フオンさんが学校を卒業したら、精子バンクから精子の提供を受けて子供を設ける考えで、将来に明るい希望を持っている。