ドンナイ省人民委員会は、ドンナイ川上流で計画されている第6水力発電所と第6A水力発電所の建設中止を要請する文書を首相に送付した。24日付サイゴンザイフォン紙(電子版)が報じた。
(C)Bao Dong Nai, カットティエン国立公園 |
同省人民委員会によると、ドンナイ川上流に2か所の水力発電所が建設されれば、広大な森林が伐採されることになるが、建設業者は代替地での植林を計画していない。その結果、周辺地域で土砂崩れや河川の水質悪化がどれぐらい起こるか計り知れないと指摘している。
同省資源環境局も、仮に2か所の発電所を建設したとしても得られる電力はわずか10億キロワットである一方、建設による周辺地域の環境と生態系の破壊は下流地域に住む2000万人もの市民の生活に影響を及ぼすことになり、発電所建設により得られる利益は環境の破壊に見合うものではないと警告している。
なお、第6水力発電所の建設予定地には世界遺産登録予定のカットティエン国立公園の一部も含まれている。同発電所建設が決定すれば、同地域の美しい景観を失うばかりか、ベトナムの世界遺産候補地も一つ失うことになる。