ハノイ市では最近、「金はないが金持ちに見られたい」という若者の間でブランド品レンタルサービスが流行している。最も多くレンタルされているのはスマートフォン「iPhone」だという。1日付ザンチー紙(電子版)が報じた。
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iPhonのレンタル料は1日50万~80万ドン(約2300~3600円)。もちろん数百万ドン(数万円)の保証金をレンタル時に預けなければならない。こうしたレンタルサービスを提供しているのは個人経営の携帯電話販売店や質屋など。レンタルされるのは高級携帯端末だけではなく、洋服や靴からベルトに至るまで多岐に亘る。
ブランド品をレンタルする理由について、同市の大学4年生グエン・フイ・ミン君は、「ブランド品を使うと自分が金持ちになったような気分になれる。数百万ドンで周りの人にちやほやしてもらえるなら、安いもんだ」と言う。
ザーラム郡にある携帯電話販売店のオーナー、ズオン・バン・ティエップさんによると、高級携帯端末のレンタルサービスは誕生して間もないが、最近とても繁盛しているという。デートや誕生日会、クラス会などの集まりで他の人と差をつけたい、注目されたいといった目的でレンタルするようだ。
ブランド品を持つこと自体は悪くないが、こだわりすぎると「高級ブランド=人間の価値」という誤った世界観が形成されてしまう恐れがある。ブランド品を手に入れることでしか満足感を得ることができず、買う金がないと凶悪事件を引き起こしてでも手に入れようとする可能性も出てくる。そのため、ブランド品レンタルサービスの流行から透けて見える若年層の価値観の変化を懸念して、若い人たちに「人間の価値」を再教育する必要があるのでは、という声が挙がっている。