オーストラリア警察は1日、同国でのポリマー製紙幣印刷に絡む贈収賄事件で、ベトナムを含む複数の国の幹部公務員に賄賂を渡した容疑で業者2社の元幹部6人を逮捕した。外務省のグエン・フオン・ガー報道官はこのほど開かれた記者会見で、「ベトナムはこの事件に関する捜査で、オーストラリアに協力する用意がある」とコメントした。7日付ダットベト紙(電子版)が報じた。
この事件は、オーストラリア準備銀行(中央銀行)傘下のポリマー紙幣製造業者セキュレンシー社と印刷業者ノート・プリンティング・オーストラリア社の幹部6人が、ポリマー製紙幣製造業務を受注するため、1999年から2005年にかけてベトナム、インドネシア、マレーシアの幹部公務員に賄賂を提供したとされるもの。
現地紙「ジ・エイジ」によると、オーストラリア準備銀行が、事件当時のレ・ドゥック・トゥイ・ベトナム国家銀行(中央銀行)総裁の子息の英国留学費用を支払った疑いがあるという。ベトナムの幹部公務員に対する賄賂額は1000万オーストラリアドル(約8億5000万円)で、スイスにある複数の銀行の口座に振り込まれたとしている。