高層ビル屋上のヘリポートは多くの国で普通に見られるが、ベトナムでは現在ハノイ市とホーチミン市に1か所ずつあるだけで、積極的に設置を進めようとする動きはない。ヘリポートの設置や運用には国防省の許可が必要で、ビルのオーナーにとってメリットがあまりないことが原因のようだ。24日付ベトナムネットが報じた。
建設省によると、許可を受けたヘリポートがあるのはハノイ市トゥーリエム郡の国家会議センターとホーチミン市1区のビテクスコ・フィナンシャルタワーの2か所。ハノイ市カウザイ区で建設中の京南(Keangnam)ハノイランドマークタワーへの設置が認められれば、これが3か所目となる。
同省建築計画部のレ・ディン・チー副部長によると、ビル屋上のヘリポートの目的は、緊急避難、国防関連業務、要人保護などにあり、建設当局が設置を認めても国防省が許可しなければ設置できないという。また、ヘリポートを設置するには厳しい安全基準を満たさなくてはならない。さらに設置できたとしても、ヘリコプターの飛行コースや時間は国防当局の規定によらなければならず、ビルオーナーの勝手な運用はできないようだ。