ホーチミン市ではこの2年ほど、インターナショナルスクールから公立校に転校するケースが増加傾向にあるようだ。10月29日付ラオドン紙電子版が報じた。
同市1区の公立小学校に息子を転校させた母親Tさんは「うちの子は体が弱く、公立の小学校では十分な面倒をみてもらえないだろうと思って、インターナショナルスクールに入学させた。学費は公立校の何倍もしたけれど仕方ないと思った。子供の面倒をよく見る点についてはとても満足していた。ただ、入ってみなければ分からないこともあった」と語る。Tさんが最も不満に感じたのは、担任の先生が頻繁に替わることだった。数週間毎に先生が替わってしまっては、生徒たちの学習に影響が出てしまうという。
5区の公立小学校への転校を申請したNさんは、学費の高さが転校の理由だと説明した。入学時の学費は月200万ドン(約7840円)だったが、4年生で400万ドン(約1万580円)になった。このほかに教科書代や制服代がかかる。さらに中学校では学費が月1000万ドン(約3万9200円)に上がる。友人たちから、可能なら高校卒業までインターナショナルスクールに通わせたほうがいいが、もし無理なら早めに公立校に移った方がいいと勧められて転校を決めた。
1区人民委員会教育訓練課によると、2010~2011学年度にインターナショナルスクールから公立校に79人が転校した。この数字は1区に住んでいる生徒に限ったもので、他区在住の生徒の場合は転校を断っているという。5区でも85人が公立校に転校している。
取材した父兄の多くは、インターナショナルスクールの長所として、教え方がやさしく詰め込み教育をしないこと、放課後用の宿題を出さず自由に遊ばせることなどを挙げた。しかし点数の付け方が甘く、生徒が自分の能力を過信する場合があると指摘した。転校生父兄のHさんは「子供にもっと勉強するように言うと、先生には褒められたと反論されてしまった」と語った。
3区の公立校の主任教諭Dさんは「インターナショナルスクールからの転校生は機敏で活発な子が多い。しかし家で予習する習慣がないようだ。4年生になっても、ノートの書き方を知らない子やスペルを間違える子がいる。転校生たちの父兄に話を聞くと、インターナショナルスクールでは間違っても直させず、先生はそれを受け入れるということのようだ」と話した。